ESネット工法

工法紹介

  1. ESネット工法の特長
  2. 適用範囲
  3. 構造及び仕様
  4. 施工手順

芯出し→ロックボルト打設→グラウト注入→ケーブル設置→ESプレート設置→クロスクリップ設置→頭部処理

ESネット工法とは

①ワイヤケーブル②ロックボルト③支圧板を併用した浅層崩壊を抑制する斜面安定工法です。
地表のワイヤケーブルが補強材の定着時に斜面へ密着されるため,事前の斜面変状を抑制する効果が期待できます。

ESネット工法

1、ESネット工法の特長

ワイヤケーブル、ロックボルト(ネジ鉄筋)と支圧板を組み合わせた浅層崩壊を抑制する斜面安定工法です。

  1. 斜面を締めつける効果
    ロックボルトと支圧版によりワイヤケーブルを斜面に密着させ、地山の変状を抑制する効果が高いです。
  2. 部材が軽量
    部材重量が5kg以下と軽量で簡易であるため施工性が高く経済性に優れています。
  3. 樹木を残した施工が可能
    ロックボルトとワイヤケーブルの組立は無足場での施工も可能で、表層すべりが想定される自然斜面やのり面に適用でき、樹木を残し地形改変を最小限にできる環境に優しい工法です。

2、適応範囲

崩壊深さ

表土・崩積土・風化岩等
浅層崩壊(~3.0m程度)に適用

斜面勾配

1:0.5より勾配の緩い斜面
ただし、安定計算上の問題がなく施工性の問題や降雨などによる部分侵食の心配がない場合は、この限りではありません。

地形改変

自然斜面のまま施工が可能です。
地形改変が少ないです。
既存の樹木を極力伐採しません。

3、構造及び仕様

  • 補強材規格:D19~25 L=2.0m~5.0m
    標準配置:2.0mピッチ 千鳥配置
  • ケーブル径:φ10mm 間隔:0.5mピッチ

構造及び仕様

ESプレート
SKクロスクリップ
SKクロスクリップ

1)頭部構造

2)軽量部材の活用

工程が少ないため施工期間が短くなります。

ロープ足場での施工では使用する資材が多いため運搬、加工に時間がかかります。

現場での組立作業が少なく、従来の吹付法枠工に比べ、施工期間を短縮することができます。

3)耐久性を備えた部材

めっきの種類と腐食質量 (g/m2/年)

暴露環境 亜鉛めっき 10%亜鉛アルミ
合金めっき
都市工業地帯 8.0 3.3
田園地帯 4.4 1.5
海岸地帯 19.6 7.3

曝露期間

耐久性を備えた部材

防食性の高い亜鉛アルミ合金メッキが塗膜されたケーブルを使用しています。

4)樹木を残した施工

汎用性のあるケーブルを現場加工するため立木、地山の凹凸に対して施工の自由度が高く、既存樹木の伐採を最小限に抑えるため景観の保全に有効です。

4、施工手順

芯出し

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
PPロープ等を使用して削孔位置を決めます。

ロックボルト打設(削孔)

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
現場条件に応じて様々な削孔機械が使用できます。

グラウト注入

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
削孔後に補強材(鋼材)を挿入し、グラウトを注入します。

ケーブル設置

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
ケーブル
斜面長に合わせたケーブルを敷設します。

ESプレート設置、頭部締付

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
ESプレートとケーブルを4か所締結します。

ESプレート設置、頭部締付

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
押さえパイプ設置後ナットを締め込むことでケーブルの弛みがなくなります。

クロスクリップ設置

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
ケーブルの各交点にクロスクリップを取り付けます。

頭部処理

芯出し工
ロックボルト打設
グラウト注入
ケーブル設置
ESプレート設置 頭部締付
クロスクリップ設置
頭部処理
防錆油を充填した頭部キャップを取り付けます。

完成全景

樹木を残すことで、景観を損なうことなく斜面の補強ができます。